NLP用語集

バックトラッキング(オウム返し)

バックトラッキング(オウム返し)とは、カウンセリングやコーチングの場面で使われるテクニックで、会話において相手の言った言葉(キーワード)を、必要以上に変えずにそのまま繰り返して言い返す方法になります。
 
日本語でオウム返しは「そっくりそのまま言葉を返す」ような意味になります。
 
バックトラッキング(オウム返し)は、主にカウンセリングやコーチングの会話の際に、カウンセラーやコーチがクライアントに対して、良好な信頼関係を築くために用いる心理学用語です。
 
この良好な信頼関係のことをラポールという言葉で表します。
 
人はコミュニケーション相手に理解されたいと思っています。
 
バックトラッキング(オウム返し)はコミュニケーション相手に対して「あなたの話を聴いていますよ」というメッセージを無意識レベルで伝え、安心感と親近感を与えます。
 
 
バックトラッキング(オウム返し)をしていると、コミュニケーション相手は、自分が話したことについてもう一度自分の耳の中に入れることになります。
 
これがメタ認知的な役割にもなり、話すことでの感情表現による昇華とあいまって、冷静になりながら自分を見つめなおす段階に進めるのです。
 
また、聴き手側がバックトラッキング(オウム返し)をすると、相手に「傾聴している」という姿勢と、肯定され受容されているという安心感が生まれ、話しているだけでも心が軽くなるということもあります。
 
カウンセリングやコーチングという事例をあげましたが、ビジネスなどでもクレーム対応に活かすと、相手の感情が早い段階で昇華され、逆に「聴いてくれてありがとう」なんてこともあるかもしれません。
 
ラポールを築く方法として、NLPでは、キャリブレーションミラーリングペーシングなどのスキルがあります。
 
合わせて学ぶとより有効なコミュニケーション手段となります。
 
バックトラッキング(オウム返し)のポイントは、まったく同じ内容の「文章」を一字一句間違わずに使うという意味ではありません。
 
「文章」を一字一句同じにすると、「え…?この人何?」となってしまい、違和感が起きます。
 
多くの人が間違うのですが、バックトラッキングとはそういうことではありません。
 
ただ、キーワードを変えたり、勝手なこちら側の解釈をいれるのは避けた方が良いです。
 
なぜなら、キーワードには話している側の「大切な背景の意図が大きく乗っかっているのです。
 
バックトラッキングのポイントは3つです。
 
以下の部分をバックトラッキング(オウム返し)すると、大きく外れることはありません。
 
【相手の感情を返す】
相手の感情はキーワードです。「寂しかったんです。」「そうですか。寂しかったんですね。」となれば、相手には「この人は理解してくれるんだ。」という信頼関係が生まれます。
 
【話の内容の事実を返す】
話の内容の事実を返すというのは、「ちょっとどういう意味?」となるかもしれませんね。よくあることですが、NLPでは英語を直訳しすぎている節があります。

話の内容の事実」を返すというのは、「相手の話は相手の世界観
なので、そのまま大切に相手にとっての事実として扱い、尊重してそのままバックトラッキングで返しましょう。」という意図です。

これは事実か?あれは事実か?解釈じゃないのか?とか考えなくて大丈夫です。逆に「事実確認」を早い段階で切り込むと、あなたは話を聴いてくれない人になります。

奥さんが「話をただ聴いてもらいたい」のにご主人が「解決策を言い出す」ようなギクシャクした場面がこういうことです。
 
事実かどうかは置いておいて、相手が「こう思ったの」に対しては「そう思ったんだね」というバックトラッキング(オウム返し)良好なコミュニケーションを生み出します。意図をくみ取るということですね。
 
【話の要約を返す】
話の要約をして返すことも、あなたが話をよく聴いてくれていることのメッセージになります。
 
要約のことをパラフレーズとも言います。要約は、話が長い時に間に少しずつ挟んだり、話の最後にまとめとして、返したりすることが出来ます。話し手が必ずしも話がまとまっていない時でも、会話の中でまとめてあげることで、信頼関係が構築されます。
 
いかがでしょうか?
 
バックトラッキングは、簡単なようで奥が深いラポール構築のスキルです。
 
上手に活用することで、コミュニケーション相手との信頼関係が築きやすくなりますよ。

アドバンスドNLPベーシックコースでラポールテクニックのバックトラッキングはもちろん、ミラーリングペーシングキャリブレーションをなどの、ラポール形成の方法を深く学ぶことが出来ます。

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