NLP用語集

家族療法

家族療法とは、治療を必要とするクライアント本人だけでなく、クライアントの家族をひとつのまとまりを持ったシステムとして、その家族システムをアプローチ対象としてカウンセリングを行います。

通常,家族療法は,父親,母親,患者を対象としますが,状況によってはその日常生活に深くかかわり合う近親者や兄弟姉妹などを含めることもあります。

家族療法は、様々な治療効果研究の複合体ですが、次第に、一般システム理論の視点が取り入れられるようになり、現在では一般システム理論に基づいた(システムズ・アプローチという)家族療法が主流となっています。

システムズ・アプローチによる家族療法では、家族を、個々の成員が互いに影響を与えあうひとつのシステムとして考え、家族成員に生じた問題は、単一の原因に起因するものではなく、互いに影響を与え合う中で、問題を維持する原因と結果の悪循環を描いていると考えていきます。

「家族」を一つの集合体(システム)と考えることで、クライアントが抱える心の問題を家族全体から捉えて解決していきます。

家族療法の技法・リフレーミング

リフレーミングは、問題に対する枠組みにとらわれた考え方を取り払い、まったく違う枠組みに当てはめる技法です。家族の中で起こる問題や病気の症状について、「これが問題だ」という後ろ向きな考えを緩和させ、どんなものでも前向きに捉えるよう促していきます。

これを行うことで今までこだわっていたものや価値観とは異なる価値観を生み出すことができます。その結果、家族間でコミュニケーションの活性化に繋がり、家族関係に変化を生み出すことができるようになります。


家族療法の技法・パラドックス

パラドックスは、問題や病気の症状を表面上はあえて悪化するほうに向けて指示を与える技法です。たとえば親に反抗ばかりする子供に悩む家族の問題について、親に子供へ向かって「もっと反抗しろ」と指示させるのです。

親に反抗ばかりする子供に、あえて反抗を命令することで、反抗すれば親の言うとおりになったということになり、また親の命令に反抗しようとすれば今度は反抗をやめなければいけなくなります。このように逆説的な指示をあえて行うことによって問題を解決に導いていきます。


家族療法の効果

家族療法の効果は、家族全体のコミュニケーション活性化や問題認識のすり合わせなどに効果があります。

クライアント1人だけをカウンセリングしても、周囲が変わらなければ結局また同様の問題が起こる恐れがあります。クライアントを取り巻く環境そのものにアプローチすることで、互いが理解しあい、問題への理解や解決に向けて一緒に模索していくことができます。


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